陶芸のすすめ

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釉薬~本焼き

素焼き後の作品に釉薬をかけて本焼きをすることで、陶芸作品は完成です。釉薬とは、どろどろした塗料のようなもので、素焼き後の作品の底を 除く全面に塗ります。筆や刷毛などで塗ることもありますが、多くの場合釉薬の容器の上で作品を手に持ち、底の部分を持ってそれ以外のところを釉薬の中に沈 めてしまったり、ひしゃくなどに取った釉薬を上から回しかけたりして塗っていきます。釉薬には色やツヤを出すといった見た目の美しさを引き出す効果の他に も、水が染み込まないようにしたり、焼物を丈夫にしたりする効果があり、焼いた後はピカピカの美しい表面になります。ただし、色目などは釉薬のかけ具合や 本焼きのときの微妙な温度などで変わってくるものなので、はじめのうちは焼き上がりがイメージした色にならないこともよくあります。焼いてみるまで仕上が りがわからない、そんな意外性も陶芸の魅力のひとつなのかもしれませんね。
釉薬は本焼きをすることによってしっかり固まるため、本焼きをするときには作品同士がくっつかないように間隔をあけておくようにします。釉薬が作品の底に 塗られないのも同様の理由で、器の底に釉薬がついていると、作品が床にくっついてしまうので注意しましょう。本焼きは素焼きよりも温度が高く、 1200~1300度の温度で約10時間かけてじっくり焼きます。この時も、自然に温度が下がるまで待ってから蓋をあけないと割れてしまうこともあるの で、焼き上がりからさらに10時間ほど置いて、ようやく窯だしとなりとなります。焼くのに10時間、覚ますのに10時間もかかるので、本焼きには丸一日か かるといってもいいでしょう。最後に窯に入れてから丸一日後に焼き上がった自分の作品を窯から取り出す時が、陶芸のもっとも緊張する瞬間かもしれません。 微妙な色合いなど、取り出すまでわからない仕上がりがどうなっているのかなどをドキドキしながら確認するのも陶芸の楽しみですよね。こうして数々の工程を 経て時間をかけて作った作品だからこそ愛着がわくのかもしれません。

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