陶芸のすすめ

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粘土を練る

陶芸をするときに原料として使われるのは粘土ですが、この粘土はいきなり目的の形に成形してよいわけではありません。まずはかなり時間をか けて練ることが必要になります。力のいる地味な作業ですが、これをきちんとやっておかないと、粘土の中に気泡が入ったままになり、窯の中で焼いた時に気泡 の空気が膨張して作品を割ってしまうことがあります。ひどい時には破裂した破片が周りの作品を傷つけてしまうこともあるので、空気を抜くために粘土をしっ かり練っておくことは大切なのです。
粘土を練る方法は二つあって、それぞれ「荒練り」「菊練り」と呼ばれます。粘土は保管しているうちに端のほうと中のほうの水分量の違いで硬さが均一でなく なってしまうので、まずはそれを均一にするための荒練りを行います。荒練りの作業は粘土の塊を手で押して薄くなったら折り返してといった方法の繰り返し で、かなり忍耐力と力がいる作業です。こうすることで粘土は均一になり、柔らかく扱いやすい粘土になるのです。荒練りができたら、次に菊練りに移ります。 菊練りの目的は、まだ粘土の中に含まされている気泡を完全に外に追い出すこと。荒練りを行い塊状にした粘土を回しながら少しずつ押していくと、菊の花びら のような形に練り上がります。菊練りという名前はその形に由来したもので、割れの原因となる気泡を完全に追い出すために大切な工程になりますが、この菊練 はやや難しく、陶芸を始めたばかりの人の最初の壁になることも少なくありません。職業訓練校や専門学校などの陶芸のクラスでは、まずはじめにこの菊練りの 実習から始まり、これをマスターするまでひたすら菊練りの練習をやらされるところも珍しくないようですよ。菊練りはかなり練習のいる工程ですが、上手くい くと粘土から空気の抜けるときの「プチッ」という音がするなど、気もちのよいところもあります。荒練りも菊練りも陶芸の中でも実は大切な工程なので、手を 抜かないようにしましょう。

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